事務所方針


代表メッセージ

社長

 昨今、建築工事の生産性が低いとの指摘が多くあり、(一社)日本建設業連合会が主導的立場で取組を始めています。 
 生産性の低さの原因は施工に在ると思われているようですが、実は設計段階で「施工のしやすさ」を仕込んでおければ、相当改善されるので、発注者・設計者を始めとした関係者全員で問題意識を共有することが必要だと考えております。  

 あの姉歯事件を受けて、建築確認後の構造変更がほぼ出来なくなったので、着工後に施工者のノウハウで生産性を向上することが難しくなりました。そのため、設計部門を持ったゼネコンは、設計初期段階から施工部門の知見を取り込むフロントローディングと呼ぶ対応をして、デザイン性・高品質を確保しながら、より生産性が向上する合理的な設計をする努力をしております。
 オフィスビルや集合住宅のように、数多く建築されている施設の場合は、施工に関する情報も多くあり特に問題はないと思いますが、ホールや劇場のような建築機会が少なくかつ特殊性の高い施設は、より企画段階から施工経験者の参画が必要と考えますが、これらの施設の多くは公共施設であるため、設計と施工を分離して発注することが原則であり、設計段階で施工者のノウハウを反映することが出来ません。
 
 とうりょうは、基本的な音響知識を持ち、実際にホールの施工責任者を担当しました。本社に異動してからは全国のホール・劇場工事の技術支援をしてきました。その現場で痛感したのは「手遅れ」でした。 構造設計者は、耐震性能を確保した大空間を構築すべく安全確実な設計をします。しかし残念ながら、特殊施設独特の施工手順や施工性に関する経験値が不足しているため、施工者から見ると難しい構造体になっていることが多くありました。
 ほんのちょっと、施工に関する情報を構造設計者に理解してもらうだけで、より施工性が良く、より品質確保がたやすい構造になるのにと、残念でなりません。

 なかなか理解していただけないのですが、「施工性が良い」「品質確保がたやすい」は、施工者のメリットではなく発注者にとってのメリットです。
 施工性が良ければ、全体工期を短縮でき、建築コストを下げることが可能になります。
 施工性が良ければ、品質確保がしやすくなり、高品質な施設が期待出来ます。

 とうりょうは、このメリットを実感していただけるように、活動していきます。

 

方針

■施工しやすい建物を企画・設計を提案します。 
 企画段階・設計段階でちょっとした配慮(フロントローディング)をすることで、施工しやすい建物にする ことができます。
 施工しやすいということは、品質は確保しやすいし、工期を短くしたり工事費を下げたりもできます。
 特にホールや劇場などは、施工が難しいので、企画・設計段階での仕込みが重要です。
 企画段階・設計段階でとうりょうの経験を生かして、お手伝いをします

■施工品質の確保をお手伝いします。
 とうりょうは、2度BCS賞をいただきました。この賞は施工の品質が高くないといただけない賞です。
 工事中の折々に注意すべきポイントがあり、そこをきちんと押さえれば良い建物にすることができます。
 特にホールや劇場などは、躯体はもちろん音響の品質を確保するための管理ポイントがたくさんあります。
 施工管理にとうりょうの経験を生 かして、お手伝いをします。

■発注段階でよい建物への仕込みをお手伝いします。
 発注段階で、優れた技術提案ができる施工業者を選定をすることが、よい建物を作る第一歩です。
 例えば、公共工事の総合評価方式における技術提案のテーマは、その工事における最も重要なポイントを押さえて提示すべきです。
 総合評価入札の技術提案対応をしてきたとうりょうの経験を生かして、お手伝いをします。

 

事務所名「とうりょう」の由来

 ソニーの社長・会長をされた大賀典雄様(2011年没)個人発注工事の「軽井沢大賀ホール」の工事中に、大賀様から現場代理人所長の業務について問われ「まぁ、棟梁みたいなものです。」とお答えしたところ、よほど気に入っていただけたのか、その後お知り合いに私をご紹介いただく時に「このひとは、スーパー棟梁の加藤さん」と枕詞を付けて、おだてられました。社会のトップに立たれる方は、やはり人の使い方がうまいと舌を巻きました。
 更に、かなり昔になりますが、ニチレイの現場事務所にもう一人加藤姓の社員がいたので、区別するために「りょうちゃん」「りょうさん」と呼ばれるようになり、当時は多くのひとが私のことを「加藤りょう」だと思っていました。「かとうりょう」の、頭の「か」を取ると、「とうりょう」になります。
 「とうりょう」の前に、気付かれない様に「加」をデザインしたマークを付けました。このロゴマークは、私を育ててくれた鹿島建設の「カネカ」と呼ばれるシンボルマークのカタカナ「カ」を漢字の「加」に替えたもので、お世話になった鹿島への感謝の気持ちです。